【生活】遠刈田に伝わる「うなぎとかにの話」が恐ろしかった
昨日は母と弟と遠刈田温泉に行って来ました!
美味しい夕ご飯( *´艸`)
お品書きの裏には何やら小話が載っているようでした。
「うなぎさんとかにさんのおはなし」
子ども向けのお話かとスルーしていたのですが、これがとんでもないお話でした。
あらすじ
むかしむかーし蔵王のお山に不動滝と三階滝というふたつの滝がありました。
不動滝の大きいおうちにはうなぎさんが、三階滝の小さなおうちにはかにさんが住んでいました。(中略)
かにさんは大きい家(滝)に住んでいるうなぎさんをいつも羨ましく思っていて、
ある日、かにさんはうなぎさんに、家を取り換えてくれないかと言います。
うなぎはかにさんのおうちは小さいから嫌だと断ります。
かにさんはどうしても大きい家が欲しかったので何度もうなぎにお願いしますが、うなぎさんに断られ、ついに喧嘩になります。
そして、喧嘩に負けたうなぎさん。
大きなおうちを取られ、かにさんのはさみで三つに切られてしまいました。
三つに切られたうなぎさんはというと。川に流されて
頭は青根に、胴は峨々に、尾は遠刈田に流れていきました。
切られたところから不思議なことに温泉が噴き出し、
腰や足の病気を治してくれる温泉といわれ、
みんな喜んで温泉に入るようになりました。
食事時に読んでしまった私たちは愕然としました。
まじかよ……。
要約
この話はつまり要約すると、
家の大きさを一方的に羨んだかにが、
家を交換してくれと無茶なお願いをし、断られ、
ついには強行突破で争いを起こし、争いに勝って、
うなぎをぶつ切りにして川に流したというお話です。子ども泣くぞ……!
猿蟹合戦だって勧善懲悪物じゃないか……。
蟹があまりにも酷過ぎる……うなぎあまりにも可哀想だ……。
出典
ずいぶん子ども向けに書いてあるようなので、
どこかに出典があるのか、もしくは創作なのか調べてみました。
どうやら、日本伝説大系2というのに載っている
三階滝の蟹鰻合戦というのがもともとみたいです。
こちらは舞台が三階滝のみ。
滝の上のほうに蟹が居て、下のほうに居たうなぎのほうまで進出してきたので、
女性に化けて遠刈田の狩人に助けを求めに行きます。
娘は十五夜の晩に滝下のまないた岩の上で男女の争いが起こるから、男の方を撃ってくれと狩人に金の玉を渡した。狩人は了承し、いわれた晩に滝下の木立に隠れてその争いを見ていたが、急にこの金の玉を我が物にしたくなり、家に戻ってしまった。
狩人クズすぎでしょ……。
というか金の玉ってなんだよ……。
そのあと温泉が湧き出るところまでは一緒で、
狩人は鰻の怨みで片目になります。子孫も片目とのことです。
蟹は生存競争に勝っただけなのでお咎めなしの模様。
遠刈田の民話はまた違う模様
『蔵王町史 民俗生活編』というものでは、三階滝と不動滝のお話になっていて、
狩人は向かったけれど間に合わなかったことになっているようです。
調べたら酒を飲んで寝坊したってのもありました。
最初の話はやはり日本伝説大系に載っているものですが、
あまりにも人間も蟹もあれだったので、話が変わって行ったんだろうと思われます……。
こんなの観光案内に載せられないもの……!!!
旅館三治郎に掲載されているお話
泊ったのここなのですが!
ここに掲載されているお話は、また他のサイトのものと少し違いました。
しかし、不動滝に住む「大ウナギ」は年老いており、
「大ガニ」に勝つことができないため、女性に化けて里に住む猟師に助けて貰うように嘆願した。
決闘の日、猟師は女性に言われた通り現場に向かった。
「大ウナギ」より少し遅れて到着した猟師が滝を見ると、
川は真っ赤に染っていてそこには「大カニ」だけいた。
猟師は銃で「大カニ」に狙いを定め撃った。
玉は見事ヒットし、回りの滝壺は血で真っ赤に染まりそれ以来「大カニ」の姿は見当たらなくなった。
向かったけれど間に合わなかったあと、
なんと猟師はちゃんと蟹を仕留めています。
よくやった……!ありがとう……!!!
胸のわだかまりがなくなり、すっきりしたので、
もうこれを観光案内に載せるということでいいと思います。
まとめ
楽しい旅館の話を書くつもりが、
あまりにも衝撃的すぎたためにブログに書いてしまいました。
遠刈田本当にいいところなので、皆様機会あれば行ってみてください!
夕ご飯に蟹も鰻も出なくて良かったです。
滝見てきました
帰りに見滝台というところで問題の滝見てきました!
小さくしか見えなかったけど、これが不動滝。
三階滝。
全景こんな感じです。
左にあるのが三階滝、右が不動滝です。
三階滝は日本の滝百選にも選ばれてます。
蟹はここで満足しとけばよかったのにな……。
弟とここが「うなぎの……」「蟹め……」って言ってました。